SXSW News より
アメリカ「SXSW」の日本政府セッションに井原慶子が登壇
自動運転、有人運転の“CASE”を語る
2018年3月9日から3月18日までアメリカ・テキサス州オースチンで行われているSXSW(サウスバイサウスウエスト)の初日、日本の経済産業省が主催する公式セッション「Miraculous Driverless Town a Model for the World」にカーレーサーで慶應義塾大学大学院メディアデザイン研究科特任准教授の井原慶子が登壇した。
SXSWは、1987年に音楽祭として始まり、現在はカンファレンス、エギジビション、フェスティバルを含む全米でも有数のイベントになり、3月11日には、TeslaとSpaceX社の共同ファウンダーであるイーロン・マスク氏も登壇した。
SXSW Intelligent Futureカンファレンスの日本政府主催セッション「Miraculous Driverless Town a Model for the World」では、井原の他、パナソニックの石合泰司主幹、福井県永平寺町の河合永充町長、曹洞宗・北アメリカ国際布教総監部書記で僧侶の横山行敬さんが登壇。過疎と高齢化によって地域の交通が失われている日本の現状と自動運転を含めた未来のモビリティの在り方についてプレゼンテーションや議論が行われた。
井原は、自動車文化の始まりや近代モータースポーツで使用されているインタラクティブなICT、慶應大学院で研究を続けているMobility as a serviceなどの事例を披露。自動車産業は、アフターサービスマーケットが自動車製造業の5倍以上の市場になり拡大することや自動運転時代のサービスについて語った。
一方、カーレーサーならではの有人運転との両立の大切さも語り、以下のように締めくくった。
「CASE(Connected、Autonomous、Shared、Electric)による過疎化や高齢化などの地域課題解決も重要ですが、同時に人生には走る歓びを感じるような生きがいが必要です。スマホをしながらご飯を食べると味をあまり感じないように車内でマルチタスクを実現できる効率的な自動運転に対して、クルマを運転するときに感じる重力や風の爽快感は、人類にはかかせないと思います。有人運転ではCommunity、Auto sports、Shared、Enriching people by engineのCASEが重要です。走る歓びを共感したい!人間の能力位以上に速く、遠くに行きたい!クルマを操るのが楽しい!など自動車の語源となる人間本来の意識を大切に、一自動車人としてこれからもモビリティの開発に携わっていきたい。」
と語った。
2日後の3月11日に登壇したイーロン・マスク氏も下記のように語っている。
「Teslaを宇宙に送れたことについて「こういう時代に生まれたことに幸運を感じる悲惨な問題をひとつずつ解決していくことだけが人生ではない。人生には自分を奮い立たせるような目標が必要である。毎朝目を覚ましたときに人類の一員であることに喜びを感じられるような目標だ。これが私たちが目標としていることだ。」
SXSWカンファレンスでは、3月18日までIntelligent Future mobilityやVR/ARなど各界から有識者が集まり議論される。